組織変革を軽やかに、やわらかく〜素敵な元園長先生との対話からのヒント〜

こんにちは。
子どもたちの豊かな未来のために、大人から幸せになるをテーマに活動しています、NPO法人NAGOMI MINDです。

今回は、保育園・幼稚園・こども園という職場のチーム、組織についてのお話です。

保育・教育のための場所も、組織（企業組織）のひとつ。
保育業界の方も、そうでない方も、「組織を変える・変容する」という広く共通する課題のヒントを受け取っていただけると嬉しいです。

どうやって地域の子どもにも、大人にも愛される幼稚園が出来るのか？

先日、とっても素敵な元幼稚園の園長先生を長年務められたかよ先生と、私たちの拠点である茅ヶ崎で、ゆったりとお話してきました。

茅ヶ崎の素敵な古民家

今はお孫さんとの時間が一番大切というかよ先生は、とても可愛らしくて明るい表情が素敵です。子どもたちは勿論、保護者のみなさまも、自然と一緒に遊んだり、お話したくなる、そんな空気をお持ちの方。

ですが、そのお仕事の経歴を伺うと、大変な改革・変革を起こしてきたという”パワフルな一面”が見えてきて、とっても驚きました。

「まずは前提を疑って、壊す必要のあるものは壊していくんですね」

かよ先生は、そうお話してくださいました。

保育の現場では、実に様々なイベントや行事が行われています。
運動会・発表会・作品展示会という三大行事から、遠足にお芋掘り、季節の行事を楽しむ会などなど。

その中には、

「ずっとやってきたからやる」
「慣習だから（理由はわからないけど）続けている」

そういったものも少なくありません。

また、行事ひとつひとつの準備の仕方、力の入れ方も、「本当にそれが最適・最高なの？」という、”やり方を変えてみたらどうか？”ということも。

業界の外から見たら、「これってどうなんだろう？」ということに比較的気が付きやすいのですが、ずっと保育の世界で働いてきた人にとって、それに気がつくこと自体、とてもむずかしい作業です。

まずは、「やらなくてもいいのかもしれないよ」ということに気がつく機会をつくること。それを大事な役割として果たしてこられたのだと思います。

先程の「前提を疑って壊す」というお話。「壊す」という言葉だけを見つめていると、少し強引に感じる方もいるかもしれません。

また、良くニュースなどで耳にする企業改革の中には、”社長の方針で”　”トップがルールをつくり、社員がそれを守っていく” といった、いわゆるトップダウンで変えるという方法も、まだまだ有るように思います。

でも、かよ先生のやり方は決して強引ではありません。だれも悲しまない・傷つかないように。幼稚園に関わるすべての人の幸せを想い、実行されてきたものばかり。

一つの例として、”幼稚園バスを運行するか？しないか？”　という決断のお話を教えて下さいました。

ある一時、入園者の数が減ってきた時期があったそうです。そこで出てきた意見が「幼稚園バスを運行したらどうか？」ということ。

元々、全ての保護者の方に送迎をお願いしてきたかよ先生の幼稚園。でも、幼稚園バスがあれば、もう少し広い範囲からお子さんを募集できるかも。幼稚園バスがあるなら、入園を検討してくれる家庭もあるかも。そのような意見が出るのは自然な流れだと思います。

その時、かよ先生が忘れなかったことは、その良さにだけ目を向けないこと。

幼稚園バスで送迎をする家庭の方とは、先生がゆっくりと話をすることが難しくなります。職員そろって「おはようございます」と、お子さんや保護者の方を歓迎することも難しくなります。

「たくさん園児は集まるかもしれないけど、どうしたい？」

「私たちには、どれが必要？」

園長として、先生・職員みんなに問いかけて、みんなで選び取ったのは「みんなでお子さんと保護者をお迎えしたい」ということでした。そうして、幼稚園バスは運行せずとも、園児の数も増やすということを実現できたそうです。

一人で決めてしまわずに、みんなで対話的に進める。
ひとつずつの課題を、丁寧にクリアにしていくということの積み重ね。

そうして長年運営してきた幼稚園は、卒園してからも通いたくなると地域の方にとても愛され続けています。お子さんよりも、保護者の方が幼稚園で過ごしたくなるというようなお話も。

その変化のプロセスの中には、私たちの大切にしている価値観とも、とっても通じるものがありました。

NAGOMI MINDのWebマガジンでは、定期的に組織の責任ある立場の方に向けたテーマでも、記事をお届けしていきたいと思っています。

組織やチームをつくる立場の方、二代目・三代目園長先生たちの参考になれば幸いです。

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