“どんな相手も、どんな気持ちも受け止める” 人間性が育つ秘密 〜ぎゅぎゅっとハッピー®ゆうちゃんが出来上がるまでVol.3〜

前回まで、現在の保育業界にはまだ珍しい、保育者さんの心や自尊感情を育てる、ゆうちゃんの研修についてお話を伺ってきました。

 

数々の奇跡を起こしてきたゆうちゃんの研修は、「保育の現場を通して学んだこと、子どもたちから教えてもらったこと」で構成されているということを、人間に対するやさしさと信頼にあふれたまなざしで語っていただきました。(Vol.1 、Vol.2はこちらから)

 

保育のエッセンスを”研修”という形にデザインし、講師として研修現場に立ち、そして、一人の保育者さんの人生を大きく揺るがすようなインパクトをもたらす場をつくる。

 

どうしてそのようなことが出来るのでしょうか?

 

今回は、ゆうちゃんの生い立ち、ご家族との関係から、その秘密を探ってみたいと思います。

 


 

―― ゆうちゃんの生い立ちが気になりますね。いったい、どうやって出来上がってきたんでしょうか?この素晴らしい人が。

 

ゆうちゃん  生い立ち…どこからお話しましょうか…?

 

―― ご出身は?

 

ゆうちゃん  徳島県ですー!阿波踊りの徳島。

 

―― なるほど!妙に納得できる。

 

ゆうちゃん  家族が本当に仲が良すぎて。「父!」「母!」と呼んだり、名前をもじったニックネームで呼んだり。

フラットな関係性で関わり合っていました!今も家族仲良しです。

 

僕がちっちゃい時から「なんでもやってみて!!」って言ってくれるスタンスの両親で、「失敗なんかないやんか」って。どんどんやっていったらいいよ!って何でも挑戦させてくれたんです。

 

何かやってみて、失敗しても、怒られるわけでもなく、そこからどんなことを学べたか?ということを一緒に考えてくれるような親でした

 

―― ご両親ともですか?

 

ゆうちゃん  そうですね。ま、夏休みの宿題を最終日にしていたときは怒られたけど(笑)

 

―― そこは怒るんだ!(笑)

 

ゆうちゃん  でも、怒った後には一緒に助けてくれたんですよね。

 

―― ご両親がそんなふうになれた理由って、なにかあるんでしょうか?教育のお仕事をされているとか?

 

ゆうちゃん  一般的なサラリーマンの父と、パート社員の母ですね。なので、教育を特段学んだとかではなく、仕事は関係ないですね。

 

スキンシップが多くて、よく、スキンシップで遊んでくれたなと思います。一度父に、「なんでそうやって、育ててくれたん?」って聞いたら、「哺乳類やけん」みたいな返事が返ってきて。

 

母にも同じ質問をしたんですが、なんでそんな子育てをしてくれたん?って。それで、「なんも考えてなかったけど」って言われて。

 

―― えー!すごく心が充たされている、あったかい感じがそれだけで伝わってきます。

 

ゆうちゃん  父からの「哺乳類だから」のくだりには、続きがあって「上野動物園のパンダと一緒よ」って言われて。

 

―― え、どういうことですか?(笑)

 

ゆうちゃん  パンダが、こう子どもを抱いてるやんって、それで転がってるやんって、あれと同じって。

 

――  動物から学んでるんでしょうか。子どもからも、動物からも、様々なところから学ぶご家族なんですね。

 

ゆうちゃん  ぶっ飛んでますよね。

 

――  いやいやいやいや!!素敵!

 

ゆうちゃん  父も母も穏やかなんですよね。決めつけて怒ることもなかったし、淡々としてますよ。なので、もう、えらい自由にさせてもらって。

 

でも、自分は真面目な性質を持っているので、たいていの場所で最初は真面目にしていたんです。学校とかでも「いやいやいやいや(僕なんか)」って言って、端っこに居たんです。居たつもりなんですけど、いつの間にか、1番前でしゃべってるみたいな感じで。

 

どんどん手も上げるし、どんどん発表もするし、周りの目を気にせず、なんでもしちゃうタイプで。気がついたら学級委員とかそういう役割になっていました。

 

友だちの悩み相談も、恋愛相談も、人生相談もいっぱい聞いてましたね。気がついたら先生側の悩み相談とかも聞いたりして。

 

――  えー!その頃から全てに寄り添えていたんですね!

 

ゆうちゃん  恋愛相談は特に忙しかったです。バレンタインが繁忙期でね、大変でした。クライアント様がいっぱいで(笑)

 

――  男女両方から聞くからでしょうね、ゆうちゃんは全方位を受け止められますから。

 

ゆうちゃん  そうですね。両方から聞いて、女の子が「私でもできるかな?」ってすごい不安そうにしていると「ちょっと不安な気持ちあるよね〜」って受け止めて。

 

それで、「渡してみようよ。せっかくやし、その想い伝えよう!」みたいな感じで。

 

――  変わらない!!今と一緒のこと言ってる。

 

ゆうちゃん  待ち合わせ場所を、僕の方で ”4時間目終わった後に、あの校舎の裏のあそこで…”って決めて。

 

で、男の子のほうには、「なんか、あそこに来てって言ってたよ」という形で、仲介して伝えて、見守る。

 

そんな案件を同じ日に何件か抱えていたので、忙しかったです。

 

――  大繁盛ですね。そんな風に寄り添ってもらえる人がいたら、失敗してもいいなって思えますよね。

 

ゆうちゃん  恋愛ですから、そんなにうまくいく時ばっかりじゃないし、中には「あー、ダメだった」みたいなときもあります。一緒に泣いたりね。そんなことやっていましたね。

 

――  そうやって、学生時代からクライアントさんを抱えていたんですね…。何かで読んだんですが、ゆうちゃんはもう、ちっちゃい頃に保育士になるって決めてたと。

 

ゆうちゃん  弟が9歳離れていて、僕が小3の時に生まれたんですよ。友だちの家に遊びに行ったら、友だちそっちのけで、友だちの妹とか弟と遊ぶのがすごい大好きで、ずっと遊んでたんですよ。もう、かわいい、かわいいって。

 

田舎なので、公園に行ったらちっちゃい子もいたりして、一緒に遊んだりして。そしたら、自分の家にもちっちゃい子がおったらいいのにって思って。そのくらい、ちっちゃな子が大好きでした。

 

だから最初に「お兄ちゃんになるよ」って言われたときの感動も覚えているし、産婦人科で産まれたときの感動も覚えているし…。初めてのオンギャーの声聞いたときも覚えているし、なんなら出生後の記録とかをつけるのも僕が何日か書いてたんですよ

 

その時の写真もあって…

――  書いてるーー!!

 

ゆうちゃん  「ミルクもよく飲んでます。」って書いてますね。

 

――  かわいい!

 

ゆうちゃん  弟が大好きで、可愛くてたまらなくて、本当に我が子よって感じ。9歳にして親心。もうほんとに可愛くて、ミルクをあげてたり。

 

弟と日々過ごしていく中で、感動が多くて、日々成長していく姿とか、できなかったことができるようになっていくとか、ただ不快で泣くだけだったのが悔しくて泣くようになったとか、色んな気持ちが増えていく姿に感動したりして。

 

小学校3、4年生になってきたら、大体もう「コップは水を飲むもの」とか、「おしぼりは手を拭くもの」とか、「大体これはこういうもの」っていう固定概念が生まれてきますが、ちっちゃい子たちはそういうものが全く無いから、ただ自由に、自分にない発想で、どんどん新しいものを考え出す力に感動して

 

子どもと一緒におったら、自分自身が、もうずっとずっと成長し続けられるなっていう風に思って。子どもに関わる仕事に就きたいなって思いました。

 

――  その視点が、とても小3とは思えない。小さい子たちのほうが「分かっていない」って捉えないで、自由な発想って捉えられるところが、本当にすごい。もう今のベースがすでに出来上がっていたんですね。

 

ゆうちゃん  両親も一緒に子育てに参加させてくれたというか…。例えば、弟が”ウソをつき始めた”とか、発達段階の特徴で何かあった時に、「なんか最近、こういうことあるんだよな」みたいな感じで僕に話してくれて。「どうしたらいいと思う?」って聞いてくれて

 

子育て会議に参加させてくれて、毎回そこで、「どういう風にみえる?」って僕に聞いてくれたり、「どうしたら良いと思う?」って聞いてくれたり。

 

自分も当時は、子どもなりに感じたこととか、考えたことを、「こうしたらいいんじゃないかな?」って伝えたら、「あ、じゃあそれやってみようか!」という感じで、フットワーク軽く取り入れてくれたりしたんですよ。

 

そうした中で、それこそ子育てへの参加意識があって、一緒に子育てをさせてもらったということが、すごく印象に残ってますね。

 

――  二極じゃないところがいいですよね。<親と子ども>じゃないところが。社会には色んな視点があっていいよって。

 

ゆうちゃん  両親に、「なんで小さい時に、相談してくれたりしたの?」って聞いたら、「大事な家族だから」って言ってくれたんですよ。

 

「不安だから、経験豊かな勇気に相談したくなった」って。小学校中学年〜高学年の子どものことを見て、「経験豊富」って言えるってすごいなって、今改めて思いますね。

 

――  子どものことをここまで尊重してくれて…、本当にすごいご両親ですね。

 

ゆうちゃん  でも一方で、やりたいことも結構好き勝手やっていて。家にいるときは、弟が大好きすぎて、ずっと遊びたいっていう感じもあったけど、当時パソコンに興味をもって、自分で貯めたお年玉でパソコンを買って、色々やってましたね。

 

わからないことがあったら自分で調べたり、ホームページを作ってみたり、ちょっとブログを始めたりとか。

 

何か、正解がないものを、調べて、自分で考えて、やってみるのが好きでした。

 

ピアノも習ってたんですけど、マニュアル通りに楽譜を見てそのまま弾くっていうのはあまり得意じゃなくて。自由に弾くとか、音を探すとか、そういうのが好きでした。探究心があるのかもしれませんね。

 

――  ゆうちゃんのダンスもその時に始まったものだったり?

 

ゆうちゃん  ダンスは全く教えてもらった経験がなくて、小中高と運動会の時に、踊っている自分の前に人がいっぱいやってきて…。「キレが良すぎる!」とか、校内で噂になったり、保護者の人がビデオ回してたり。

 

――  えー!独自のものなんですね。

 

ゆうちゃん  最初からそんなに目立とうとしないで、一応、隅の方で踊っているつもりなんですけど…、いつの間にか前に出てるんです。

 

あれー?おかしいな〜?って。しおらしくしてたのに、なんでなん??って。

 

――  人間、自分の本来適した場所に出て行ってしまうものですから、仕方ないですよね。そういうところも、とても素敵だと思います。

 

ゆうちゃん  ありがとうございます。

 

Vol.4へつづく


今回は、ゆうちゃんの生い立ちからご家族とのエピソードを中心にお話を伺ってきました。

どのお話からも感じられるのは、人間への絶対的な信頼。子どもか大人かは関係なく、ゆうちゃんは”ゆうちゃん”として信頼され、尊重されてきたということが感じられます。

そんな幼少期を過ごしたゆうちゃんだからこそ、目の前のどんな方でも、どんな気持ちでも、”全方位で受け止めてくれる存在” でいられるのではないでしょうか。

そうした人間関係のベースは家庭でのご両親との関係性から、大事に受け継がれてきたもののようです。

次回は、そんなベースを持って育ったゆうちゃんが、さらに年齢を重ねて保育士になるまでの経緯を伺っていきたいと思います。

 

インタビュアー:堀井 理恵子・塚田 ひろみ
写真/文章:塚田 ひろみ


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