見たものを《そのまま》捉えるまっすぐな目で常に前を向いて進み続ける探究者/【NAGOMI MIND】メンバー紹介 Vol.1 代表 塚田 ひろみ

NPO法人 NAGOMI MIND(以下ナゴマイ)は
こども達の健やかな成長には
まず関わる大人が健やかであることが大切、
という理念のもとに
様々な活動を行うNPO法人です。

このNPOには
幼児教育やアートの専門家、
ヨガインストラクターなど
様々なバックグラウンドを持つメンバーが
関わっています。

そんな個性豊かなメンバーのことを
知ってもらいたい、
ということで始まったインタビュー企画。
インタビュアーは当NPO理事の一人である
大橋 知加が務めさせていただきます。

第1回目は代表の塚田 ひろみ。
通称かんちゃん(以下かんちゃん)です。

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小柄でくるくるとした瞳が印象的な彼女。
その可愛らしい見た目や
穏やかな物腰とは裏腹に
知りたいこと・やりたいことは
とことん突き詰める探究者。

2人の女の子のお母さんであり、
幼稚園の運営や
芸術家の活動のサポートなど
様々な活動を行っているかんちゃん。

「心の専門家になりたかったんだ」
という想いに気づいて
4月からは公認心理師の資格取得のために
3度目(!)の大学生になったところです。

常に前を向き進み続ける中で
様々なフェーズを超えて
どんどん軽やかに自由になっていく、
そんなかんちゃんの想いや人となり。
ナゴマイ設立までの道のりを辿りながら
一緒にみていけたら、と思います。

代表のかんちゃんは特別バージョン。
全3回でお送りします。
第1回は原点となる想いが生まれた時期。
大学時代までのかんちゃんを
振り返ってみましょう。

「幼稚園の先生のために何かできたら・・・」がナゴマイ設立の原点

母方の家が
学校法人として長年幼稚園を運営しており
物心ついた頃から親戚が集まるたびに
幼稚園の話を聞いていたかんちゃん。

その中には
『あの先生はなんだか気が利かないのよ。』
というものや
『あの先生ってなんでやさしくなれないのかしら?』
といった話もあったそうです。
そんな話を聞くうち、
かんちゃんの中にある想いが湧いてきます。

かんちゃん(以下かん):
『それはその先生の問題、というよりも
置かれている環境や
人間関係の問題じゃないかな?
それぞれの先生に才能を発揮できる場所が
あるような気がする・・・
先生達のために
何かできたらいいのかもしれない!』
とふとその時思ったんですよね。

こうしてかんちゃんの心に
「先生たちのために何かしたい」、
という思いが芽生えます。

「先生が悪いんじゃない」の根底にあった「人が好き」の想い

ここで気になることがひとつ。
本来なら身近な大人の話を
そのまま受け取ってもおかしくないような
気もするのですが
そこで疑問を持ったのはなぜでしょう?

そこには
かんちゃんの人に対する見方が
関係しているようです。

かん:多分、何か1つの出来事を
その人だけのせいにすることに
違和感を感じていたんだと思います。

それに私は人が好きだし、
「人間って本質的にはみんな良い人で、
悪いと思えるのは
環境や立場などがそうさせているんだ」
って思って生きてきたから
「気が利かなくて優しくなれない
先生が悪いよね」、とは
思えなかったんだろうなぁ。

昔から『他人に興味がない』
と捉えられることが多いかんちゃん。
噂話にすすんで入ることもなく、
誰かの言動に対して
感情的になることもめったにないので
そう思われるのかもしれません。

でもそれは興味がないのではなく、
一方的な見方でその人を判断したくない、
先入観なくそのままを捉えたい、
という姿勢の表れなのかも。

そんなかんちゃん
実は人の話を聴くのは嫌いではないそうで
その人の心の中や考えたことなどは、
いつまででも聴いていられるそうです
(その人以外の所から来る情報インプットは
疲れるから嫌い、とのこと)。
聴き上手なかんちゃんに
いろいろ話してみてくださいね~♡

その人の想いを1ミリもずれずに捉えたい

そのままを捉えるということについては
更にこんな話も。

かん:その人が本当に伝えたいことや
理解してほしい気持ちを
本音を言えば1ミリもずれずに捉えたい、
という変な特性があって(笑)
あえてそうしてるっていうより
自然とそうしちゃう感じです(*^^*)

彼女と話していると
自分の本当の想いに気づいたり
本当にやりたかったことを
思い出させてくれる、
とおっしゃる方も。
(私もそう感じる一人です。)

それは
そのままを捉える彼女が写し鏡になって
その人の本当の想いや
やりたいことを映し出してくれているのかも。

そのままの自分を受けとめてもらえる、
という安心感の中で話をするうちに
心はより素直に
本質に近づいていくのでしょうね。

自分自身も経験した組織の中の息苦しさ

時は流れて大学生になったかんちゃん。
在学中に入ったある団体での経験が
かんちゃんの今後に大きく関わっていきます。

かん:その頃写真に関心があったので
「写真の練習がタダでできる」
という謳い文句に釣られて入ったんです。

でもその団体の本来の目的は
『大学の1年間を写真を中心に記録し、
雑誌にして販売すること』で
大変な出版業務の全てを
やらなくてはいけない、
ということが後でわかって。
自分の研究活動が出来ないほど忙しい、
ということも入ってから知りました。

そこには個人の選択の自由がないような、
個人よりも『組織の存続』が
優先されるような空気が
流れていたのを覚えています。

何でも屋の編集長、実は自信がなくて落ち込んでは再浮上の繰り返し

そんな中で編集長をやっていた、
というかんちゃん。
ナゴマイでも代表として全体を統括しているし
楽しそうにてきぱきと
仕事を進める姿を見ているので
「この頃から全体を見て的確に指示を出したり
していたんだろうなぁ・・」
と思ったのですが・・

かん:編集長とは言っても、
実際は何でも屋でした(笑)
それに大学生時代の私は
今みたいに元気いっぱいではなくて
今よりもっと真面目で
責任感の塊のようでしたね。

自分に自信がなくて、
失敗しては
「あ、やっぱり私はダメなんだ・・」と
しょっちゅう落ち込んでいましたし。
でも、たまにうまくいくこともあって
「あ、私も案外大丈夫なのかも??」
って再浮上する感じでした。

続ける原動力は「それぞれが自分らしさを発揮できる組織にしたい」の気持ち

離れていく同期もたくさんいる中
かんちゃんを含めて数人のわずかなメンバーで
『今回のような歴史は繰り返したくないね』
と話し合って続けることを決めます。
それは「言い出せなくて」や
「責任感から抜けられなかった」
といった理由ではなく・・

かん:いまの組織を変えたい、
「やらなくてはいけない」とか
「先輩のいう通りに」ではなく
『やりたい』という想いを大切にしたり
その人らしさや才能を
発揮できるような組織にしたい、
って思ったんです。

それに、「できるかも!」
って気持ちになっちゃったんですよね。
同期の仲間のひとりが
『別に辞めたっていいけど、
続けたら何かできるんじゃない?』って
視点を変えてくれたんです。

その視点でメンバーを見渡したら
「あ、できるかもしれないな。」
って思えてきちゃって。
そうなったら後は
納得するか諦めるまでとことんやる、
みたいな感じです(いつも)(笑)

「できる」に視点を置き換えて
状況を見てみると
「この仕事はこの子ができるな」
「これはこの人にお願いできそう」と
現状を前向きに捉えることができたかんちゃん。

かん:そこから
組織作りについて学んで実践したい、と
組織開発やマネジメント、
リーダーシップのことを学びはじめました。
幸い、所属していた大学では
その道の専門家である教授の授業から
学べる環境にも有り、
実践しながら学ぶことができました。

やる、と腹をくくったものの
仕事が多すぎて後悔したり
会議がうまく進められない、
仕事での意思疎通が
タイミング良くできないなど、
何度も落ち込んでいました。

でも最初に決めた
「それぞれが自分らしさを発揮できる
組織を作る!」
という事が強く支えてくれたから
続けられたのだと思います。
そうして続けたおまけ?ボーナス?
ご褒美?みたいに
最終的には後輩たちが
たくさん後に続いてくれました。

何度も落ち込みながらも
ずっと持ち続けた強い想いに支えられて
諦めずに前に進み続けたことが
良い結果に繋がったのでしょうね。

この出来事は
かんちゃんがそれまで
幼稚園の先生たちに感じていた想いと
自身の経験が重なる出来事で、
【それぞれが自分らしさを発揮できる組織を作るにはどうすればいいか?】
というテーマを強く意識するようになった
スタート地点でもあります。

そして今のナゴマイに繋がる
このテーマの模索は
まだまだ続いていくのです・・

悩んだ末に選んだ『企業の中で理想の組織づくりを実践する』道

時は過ぎて進路を考える時期に。
組織づくりに関心はあったものの
大学で更に組織づくりの研究をしたい、
組織開発や企業研修を専門に行う会社に
就職したい、
とはならなかったそうで。

かん:「大学で学んだ組織作りのことを
もっと学び続けたい」
という気持ちもありましたが、
あくまでも
『主軸は企業の中で実践していくこと』
と考えていました。

そうして最終的に就職先として選んだのは、
とあるメーカー。

かん:当時「人を大事にする会社」
という評判でした。
ただ、「人を大事にするから惹かれた」
というわけではなくて。
「どういう仕掛け、仕組みで
それが成立しているのか?」
ということに興味があった
という方が強いです。

他にも人事制度がユニークだと
いわれていたことや、
当時社会人教育や企業研修を専門に扱う
関連会社もあって
その会社に興味が湧いたんです。
「ちょっとの間、ここで働いてみるのも
いいかなぁ」って。

人を大切にしながら
会社としても成立している企業の中で
実際に働きながら学んでいく道を
選んだかんちゃん。

でもあくまでも組織づくりを学ぶためで
ずっとそこで働く気はなかったようで、
そのスキルや経験を
幼稚園にも少し還元出来たら、
とも考えていたそうです。

こうして就職先も決まり
大学を卒業したかんちゃん。
第2回に続きます。


あとがき

第1回いかがでしたか?

幼稚園の裏側が見える環境で
育ったかんちゃんにとって、
幼稚園という場所は
【子供たちの場所】というよりも
【先生たちの職場】。
視点の中心にあったのは働く先生たちでした。

小さい頃から見聞きして感じていたことに
大学時代の自身の経験が重なって芽生えた
「働く場所が
それぞれの想いや持っている才能を
発揮しあえる場所になったら・・」

という想い。

これは当NPOを立ち上げるに至った
彼女の原点の想いであり
【幼稚園の先生】から【働く大人】へ、
そしてこの先更に対象は広がっていきますが、
根本となる想いに変わりはありません。

「変わらない」といえば、
客観的に人や状況を見るところや
知りたい・やりたい、と思ったら
とことん突き進むところ、
これは今も変わらず彼女の大きな魅力ですが
当時は自信がなくてよく落ち込んでいた、
というのは正直驚きました。

でも自信がないと言いながらも
進み続けたからこその今なのだな、
と感じますし
折れない『しなやかさ』は
どこから来るんだろう、と
ますます彼女のことが知りたくなりました。
(本人に聞いても「わからない」
「生まれつき」とのこと。)
いつかそんな彼女のルーツをたどる
番外編もお届けできたら、と思います。

次回は社会人編。
模索を続ける中である人と出会い、
そこからあることに気づいて・・・
という辺りをお届けします。
お楽しみに~(*^^*)


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